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1. 住宅ローン返済中に名義人が死亡した場合
住宅ローンの契約者が団信に加入していれば、相続人は返済を免除されます。未加入の場合は、残債を債務として相続しなければなりません。
団信に加入していれば返済は免除される
ほとんどの金融機関では、住宅ローン契約の条件として団信への加入を義務づけています。団信とは『団体信用生命保険』の略であり、保険金をローンの返済に充当する生命保険です。
団信の加入者が死亡と認定された場合、保険金が直接金融機関へ支払われます。残債は保険料でまかなわれるため、相続人が引き続き支払う必要はありません。
返済期間が長期にわたる住宅ローンでは、契約者が不慮の事故や病気で死亡するリスクも十分に考えられます。残債が回収できないリスクを回避するために、ほとんどの金融機関で団信への加入を条件としているのです。
手続き完了までローン支払いは必要
契約者が死亡した場合には、最初に金融機関へその旨の連絡を入れます。金融機関は、連絡を受けるまで死亡の事実を知りません。できるだけ早めに連絡する必要があります。
金融機関へ必要書類を提出した後、保険会社の審査が入ります。審査結果が出るまでには通常1~2カ月かかり、この間はローンの返済を続けなければなりません。
死亡後に支払った分は、保険金の支払いが完了した後に請求すれば戻ってきます。
未加入の場合は相続人が債務を引き継ぐ
死亡した契約者が団信に加入していなかった場合は、相続人が債務を引き継ぎます。住宅ローンに限らず、被相続人に借金があるケースでは、原則として相続人が全て相続しなければなりません。
相続人の返済が難しい場合は、相続を放棄するのが一般的です。被相続人の債務を全て放棄できますが、相続放棄する場合には預貯金や不動産などの資産についても合わせて相続できなくなります。
任意売却で住宅を売るのも選択肢の一つです。金融機関の同意を得られれば、住宅を売却して得た代金で返済できます。住宅が競売にかけられるのを防げる点もメリットです。
相続人に返済能力があれば、家を残しつつ資産も相続できます。相続人が複数人いる場合は、返済の利便性を高めるために、抵当権を変更して債務者を1人にするのが一般的です。
2. 死亡後の手続き

団信に加入している契約者が死亡した後の手続きを解説します。自宅の抵当権の抹消登記についても、理解を深めておきましょう。
ご家族が迷わないための「死亡後の手続き」タイムライン
いざという時、何から手をつければ良いのか。全体の流れと目安の期間をまとめました。
【STEP 1:直後〜数日以内】借入先の金融機関へ連絡
やること:金融機関へ死亡の連絡をし、「団信弁済届」と「専用の死亡診断書用紙」を取り寄せる。
注意点:金融機関の口座が凍結される可能性があるため、生活費の確保を優先してください。
【STEP 2:速やかに】必要書類の提出
やること:医師に記入してもらった専用の死亡診断書、住民票などを金融機関へ提出。
【STEP 3:約1〜2ヶ月】保険会社による審査・完済
やること:審査を待つ。(※この間は一旦ローンが引き落とされますが、完済後に死亡日に遡って返金されます)
【STEP 4:完済後】法務局で「抵当権抹消登記」
やること:家を担保から外す手続きを行う(司法書士への依頼が一般的です)。
出典:3. 死亡による債務弁済(保険金請求)手続の流れ|住宅金融支援機構
3. 相続税の支払いは必要?

一般的な生命保険は、受け取った相続人に相続税がかかります。団信の死亡保険は保険金が銀行に支払われるため、税金は課されません。
保険金は相続税の対象外
保険会社から相続人が受け取る一般的な保険金は、相続税の課税対象です。しかし、銀行に直接支払われる保険金は、相続人が受け取ることはないため、相続税もかかりません。
住宅ローンの残債に関しても、保険金の充当により完済されるため、債務として遺産から控除しない点に注意が必要です。
団信の保険金および残債は、原則として相続財産には含まれません。そのため、この部分に相続税はかかりません。残された住宅(不動産評価額)と、その他の預貯金などの遺産が相続税の対象となります。
※注意点:相続税の基礎控除額の計算や、不動産の評価額算出などは個別の状況によって大きく異なります。正確な判断が必要な場合は、必ず所轄の税務署や税理士などの専門家にご相談ください。
4. 住宅ローン支払いが免除されない3つのケース

団信に加入していても、以下の3つのケースに該当する場合は住宅ローンの支払いが免除されません。
- ケース1: 住宅ローンの返済を長期間延滞していた場合
- ケース2: 「ペアローン」を組んでいる場合の生存している側の残債
- ケース3: 「親子リレーローン」を組んでいて、団信未加入の親が死亡した場合
それぞれのケースについて詳しく解説します。
住宅ローン返済に延滞がある
一般的に、団信への保険料の支払いは、住宅ローンの利息の一部を充てています。ローン返済に延滞がある場合は、団信への保険料支払いもストップします。
住宅ローン返済の滞納が約2〜3ヶ月続くと、金融機関から督促状が届き、その後団信の契約が失効するリスクが極めて高くなります(※期間は金融機関や保証会社によって異なります)。失効後に契約者が死亡しても、団信から保険金は下りず、遺族に多額のローンが残ってしまいます。
ローン返済を滞納してしまうと、団信の契約が失効するという大きなリスクがあることも意識する必要があります。
ペアローンを組んでいる
親子や夫婦など複数の債務者が、同一物件にそれぞれローン契約を行う借入方法がペアローンです。融資額を増やしたい場合に活用されます。
ペアローン(夫婦などで個別にローン契約を結ぶ方法)では、「死亡した本人の残債」のみが免除されます。
(例)夫が死亡した場合
夫のローン: 団信の保険金で完済され、ゼロになります。
妻のローン: 免除されません。妻は引き続き、自分名義のローン残債を支払い続ける必要があります。
ペアローンと似た借入方法として、お互いが相手の連帯保証人となる収入合算もあります。収入合算は主契約者のみが団信に加入するため、主契約者が死亡した場合は、団信の保険金で残債を全額カバーできます。
親子リレーローンを組んでいる
親子リレーローンとは、親子2世代にわたりローンを返済する借入方式です。設定したタイミングで、返済者が親から子へ変わります。
親子リレーローンでは、子のみが団信に加入するのが一般的です。親が死亡しても団信から保険金は支払われないため、親の残債は子に引き継がれ、子の返済負担が増加します。
親が、自分の返済分を完済しないまま死亡してしまうリスクを回避するためには、親が生命保険に加入するなどの対策が必要です。
5. もしものときも団信に加入していると安心

ローン返済中に名義人が死亡しても、団信に加入していれば安心です。保険金が銀行に直接振り込まれ残債が完済します。
住宅ローンに延滞があったり、ペアローンや親子リレーローンを組んでいたりする場合は、支払いが免除されないケースがあるので注意が必要です。




























