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住宅ローン金利推移と今後の見通しは?金利上昇リスクに備えよう

  • 最終更新日: 2026年5月29日

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2024年のマイナス金利解除以降、「自分の住宅ローンはこのままで大丈夫なのか?」「毎月の返済額が急激に増えるのではないか?」と不安を感じている方は多いのではないでしょうか。

これからの時代、家計を守るためには、これまでの金利推移を正確に把握し、金利上昇リスクに先回りして備えることが不可欠です。

本記事では、金利タイプごとのメリット・デメリットから、今後の見通し、そして「金利上昇に負けない具体的な防衛術」までを分かりやすく解説します。

 

 

 

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目次
  • 1.これまでの住宅ローン金利推移と現在の動向
  • 2.金利変動が住宅ローンに与える影響
  • 3.住宅ローン金利選びの注意点
  • 4.住宅ローンの金利変動をチェックしておこう

1.これまでの住宅ローン金利推移と現在の動向

近年の日本は長らく超低金利が続いてきましたが、2024年に日本銀行がマイナス金利政策を解除したことで、金利動向は大きな転換点を迎えています。過去から現在に至るまで、主な金利タイプがどのような動きを見せているのか確認しましょう。

 

住宅ローンの主な金利タイプは3種類

住宅ローンの主な借入金利タイプは、大きく分けて「変動金利型」「全期間固定型」「固定金利選択型」の3種類です。ご自身のライフプランや貯蓄額に合わせて、それぞれの仕組みとリスクを正しく比較することが重要です。

 

1. 変動金利型:市場金利の動きに合わせて、適用される金利が半年ごとに変わる仕組みです。

・最大のメリットは、3つのタイプの中で最も金利が低く設定されており、現在の超低金利の恩恵を最大限に受けられる点です。

・一方のデメリット(リスク)は、将来的に市場金利が上昇した場合、毎月の返済負担が直接的に増加してしまうことです。

・こんな方におすすめ:借入額が少ない方や、金利上昇のサインが出た際に、即座に「繰り上げ返済」を行えるだけの十分な貯蓄(資金の余裕)がある方に向いています。

 

2. 全期間固定型: 借り入れた時点の金利が、ローンを完済するまで一切変わらない仕組みです。

・最大のメリットは、将来的な金利上昇リスクを完全に排除できる点です。完済までの総支払額が最初に確定するため、家計の収支計画が非常に立てやすくなります。

・一方のデメリットは、金利変動のリスクを金融機関が負う分、変動金利型と比較して初期の金利が高く設定される傾向にある点です。

・こんな方におすすめ:金利変動の不安やストレスを感じたくない方、将来にわたって毎月の住宅費を一定に保ちたい方に最適です。

 

3. 固定金利選択型: 借り入れから「3年」や「10年」など、あらかじめ決めた一定期間だけ金利を固定する仕組みです。

・最大のメリットは、固定期間中であれば全期間固定型と同様に返済額が変わらない安心感を得られる点です。

・一方のデメリットは、固定期間が終了して変動金利へ移行する際、その時点での市場金利が適用されるため、将来の適用金利が全く読めない(急増するリスクがある)という点です。

・こんな方におすすめ:「子供が独立するまでの10年間だけは、絶対に支出を固定させたい」など、特定の期間のみ金利上昇リスクを抑えたい方に適しています。

 

1990年代以降の金利低下と、2024年「マイナス金利解除」による転換点

1980年代後半のバブル期には、変動金利は5%を超える高い水準で推移していました。しかし、8.5%まで上昇した1990年以降、約5年間にわたり金利は急激に低下します。

 

1995年以降、変動金利の基準金利は2.475%のまま長らく横ばいが続きました。

実際の借入時に適用される「実行金利」に目を向けると、銀行間の激しい顧客獲得競争により引き下げ幅が拡大し、2011年後半に1%を割り込んだ後、2023年頃までは0.3%〜0.5%程度という史上最低水準で推移してきました。

しかし、2024年に入り状況は一変します。日本銀行がマイナス金利政策の解除、および追加の利上げに踏み切ったことで、長らく据え置かれてきた変動金利の基準金利を引き上げる銀行が相次いで現れました。 これにより、新規借入だけでなく、既存の契約者にとっても金利上昇が現実味を帯びる局面を迎えています。

一方、市場の長期金利に連動する固定金利は、変動金利に先んじて上昇しています。全期間固定型の代表格である「フラット35」の最低金利は、2016年以降は1%台前半の歴史的低水準にありましたが、現在は1.8%〜2%前後まで上昇しており、低金利一辺倒だった時代は終わり、金利動向を注視すべきフェーズへと移行しています。

 

2.金利変動が住宅ローンに与える影響

住宅ローン金利推移と今後の見通しは?金利上昇リスクに備えよう

金利が変動すると、住宅ローンにどのような影響を与えるのでしょうか。金利変動と住宅ローンの関係について詳しく解説します。

 

政策金利と短期プライムレートの関係性

日本銀行は、景気や物価を安定させるために、金融政策上の短期的な金利を設定します。インフレ傾向になると経済の過熱を抑えるために政策金利を引き上げ、デフレ傾向が見られる場合は政策金利を引き下げて経済を刺激するのが基本です。

 

短期プライムレートとは、金融機関が業績の良い優良企業に対して、1年未満の短期融資を行う際に適用する「最優遇金利」のことです。住宅ローンの変動金利は、この短期プライムレートを基準(指標)として連動するため、日銀の政策金利が上がると住宅ローン金利も上昇する仕組みになっています。

景気が上向いて政策金利が上がると変動金利も上昇し、不景気になり政策金利が下がるとローンの金利も下がるのが一般的です。

日本はバブル崩壊以降、長きにわたりデフレと超低金利政策が続いてきました。しかし、近年の世界的な物価高や国内の賃金上昇を受け、日本銀行は2024年3月に「マイナス金利政策」を解除し、その後も段階的な利上げを行っています。

これにより、1995年から約30年間にわたって固定されていた短期プライムレートを引き上げる銀行が相次いで現れました。住宅ローンの変動金利も「一貫して低下する」フェーズは終わり、政策金利の動向次第で返済額が増加する「金利上昇リスク」を考慮すべき局面へと大きく変化しています。

住宅ローンの「変動金利」が将来どのように動くかを予測するには、日本銀行の動向に注目する必要があります。金利が上下するメカニズムは、主に以下の「3つのステップ(連動の仕組み)」で成り立っています。

・ステップ1:日本銀行が「政策金利」を動かす 景気が上向き、物価が上昇(インフレ傾向)すると、日本銀行は経済の過熱を抑えるために「政策金利」を引き上げます。逆に景気が悪い時は引き下げます。

・ステップ2:銀行の「短期プライムレート」が連動する日銀が政策金利を引き上げると、それに連動して、民間銀行が優良企業に短期でお金を貸し出す際の基準金利である「短期プライムレート(短プラ)」も上昇します。

ステップ3:住宅ローンの「変動金利」が上昇する 私たちが利用する住宅ローンの変動金利は、この「短期プライムレート」を基準に決定される傾向があります。そのため、短プラが上がれば、自動的に住宅ローンの金利も上昇し、毎月の返済負担が増加します。

つまり、「日銀の利上げニュース=住宅ローン(変動金利)上昇のサイン」として捉えることが、リスク管理の第一歩となります。

 

変動金利における「125%ルール」の注意点

変動金利型では、半年ごとに金利を見直し、5年ごとに返済額を見直すのが一般的です。返済額見直しのタイミングで金利が上昇していた場合、毎月の返済額が増加します。

 

変動金利には、金利が急上昇しても「5年後の返済額見直し時、毎月の返済額はこれまでの1.25倍(125%)までしか増やさない」という激変緩和のルール(125%ルール)が存在します。一見安心な制度に見えますが、ここには大きな落とし穴があります。

注意すべき「未払い利息」のリスク 125%ルールは、「返済額の上限を抑える」だけであり、「増えた分の利息を免除してくれる」わけではありません。

金利が急激に上昇し、本来支払うべき利息額が「1.25倍に抑えられた毎月の返済額」を上回ってしまった場合、その超過分は「未払い利息」として金融機関側に繰り延べられます。結果として、毎月返済を続けているにもかかわらず「元本が一切減らず、未払い利息だけが蓄積していく」という事態に陥る可能性があります。

その結果、毎月きちんと返済しているつもりでも「元本が全く減っていない」という事態に陥り、最悪の場合、ローン完済予定の最終月に「数百万円単位の未払い利息を突然一括請求される」という、家計が破綻しかねない事態に陥るリスクが潜んでいます。

つまり、変動金利を選ぶ場合は「125%ルールが守ってくれるから安心」と過信するのではなく、「金利が上がったらいつでも繰り上げ返済できるだけの現金を、常に手元に確保しておく」という自己防衛が絶対条件となります。

固定金利選択型の場合は、125%ルールが適用されない点にも注意が必要です。固定期間終了後に金利が大幅に上昇していれば、変動金利のスタート時に、前回返済額の125%を超える返済額が設定される可能性もあります。

 

全期間固定金利を選べば影響なし

将来の金利上昇リスクに不安を感じるなら、全期間固定金利型を選択しましょう。借入時に適用される利率が変動しないため、月々の返済額も完済時まで増えません。

収支計画を立てやすいのも全期間固定金利型のメリットです。完済までの総支払額が最初に確定するため、返済中に計画の見直しを迫られることもありません。

 

ただし、固定金利は一般的に変動金利より利率が高めに設定されます。いつまでも金利が上昇しなければ、総返済額は固定金利のほうが多くなる点に注意しましょう。

 

 

3.住宅ローン金利選びの注意点

住宅ローン金利推移と今後の見通しは?金利上昇リスクに備えよう

金利タイプの選択に迷ったら、以下に挙げるポイントを考慮してみましょう。自分に合った商品を選びやすくなります。

 

低金利が継続する保証はない

長らく続いた超低金利時代を経て、現在は変動金利でローンを組む人が圧倒的多数を占めています。しかし、2024年のマイナス金利解除以降、「低金利が当たり前」という前提は過去のものとなりつつあります。今後、物価や賃金の動向次第で追加利上げが行われれば、変動金利はさらに上昇していく可能性があります。

 

変動金利を選択した場合、将来的に金利が上昇し続ければ、最終的な総返済額が当初の固定金利を上回ってしまうリスクがあります。固定金利も以前の過去最低水準からは上昇していますが、依然として歴史的な視点で見れば低水準であることに変わりはありません。将来の不透明さを嫌うのであれば、今のうちに固定金利で「返済額を確定させる」ことも、極めて合理的な選択肢となります。

 

よくある疑問:頭金をしっかり貯めてから買うべき?今の低金利で買うべき?

結論から言うと、将来の金利上昇リスクを考慮した場合、「頭金を貯めるために購入を何年も先延ばしにする」のは危険な選択となる可能性があります。以下の2つのパターンを比較してみてください。

パターンA(購入を先延ばしにする):

賃貸に住みながら数年かけて頭金を300万円貯め、借入額を減らせたとしても、その間に住宅ローンの金利が1%上昇してしまえば、総返済額は逆に数百万円単位で増えてしまうケースが少なくありません。(さらに、その間の家賃も掛け捨てになります)

パターンB(低金利の「今」フルローンで組み、手元資金を残す):

現在の比較的低い水準の金利でローンを組み、本来頭金に入れるはずだった現金を「将来金利が上がった際の繰り上げ返済用バッファ(資金のゆとり)」としてキープしておく戦略です。これにより、トータルの金利負担を抑えつつ、柔軟な対応が可能になる可能性が高くなります。

ただし、この戦略には「手元に残した現金を、無駄遣いせずに確実に管理・運用できる家計管理能力」が不可欠です。資金管理に自信がない場合は、堅実に頭金を入れるか、全期間固定金利を選択する方が安全なケースもあります。ご自身のマネーリテラシーに合わせて選択することが、現代の賢い防衛術と言えます。

 

変動金利は金利上昇リスクを織り込んでおく

変動金利の適用金利が、完済まで今の低水準で続く前提で計画を立てるのは非常に危険です。数十年というローン期間中には、景気サイクルに伴う金利上昇が複数回起こり得ることを織り込んでおく必要があります。

変動金利が向いているのは、「家計に十分な余力がある人」です。月々の返済額が増えても生活が破綻しない貯蓄や年収があれば、低金利の恩恵を享受しつつ、いざという時に対応できます。

金利上昇に備える2つの具体策

1.返済額増額に向けた現金のプール: 金利上昇で月々の返済額が増えた際、即座に補填や一括返済ができるよう、手元資金(貯蓄)を厚くしておく。

2.こまめな「期間短縮型」の繰り上げ返済: 金利が低く余力がある今のうちに元金を減らし、将来金利が上がった際の利息負担を最小限に抑える。

 

4.住宅ローンの金利変動をチェックしておこう

住宅ローン金利推移と今後の見通しは?金利上昇リスクに備えよう

長らく続いた超低金利時代は終わりを告げ、現在の日本の金利は明確な上昇局面にあります。2024年以降、日本銀行が段階的に利上げを行ったことで、変動金利の基準となる「短期プライムレート」を引き上げる銀行が相次いでいます。

変動金利を選べば、依然として固定金利に比べれば低い利率の恩恵を受けられますが、2026年現在、追加利上げによるさらなる返済額の増加リスクは無視できない状況です。今後も政策金利が引き上げられれば、返済負担はさらに増していくことになります。

一方、将来にわたる返済負担の増加リスクを完全に回避したいのであれば、固定金利が有力な選択肢となります。長期金利の上昇に伴い、固定金利もかつての1%台から2%前後(フラット35など)へと上昇していますが、これ以上の金利上昇から家計を守る「保険」としての役割は強まっています。

現在は、金利が固定されている時代ではなく、「動くことが前提」の時代です。各金融機関の最新金利だけでなく、日銀の政策決定会合の結果や物価動向など、社会全体の金利ニュースを小まめにチェックし、自身のライフプランに合った選択をすることがこれまで以上に重要になっています。

 

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WRITER

著者: モゲチェックメディア編集部

株式会社MFS

 

モゲチェックは住宅ローンのポータルサイトです。 金融機関や不動産会社出身の住宅ローンのプロ&テクノロジー集団が運営し、公平・中立な立場で住宅ローン情報をお届けします。

SUPERVISOR
supervisor

中山田 明

株式会社MFS代表取締役CEO

プロフィール

外資系投資銀行で日本初の住宅ローン証券化を手掛け、その後約10年に渡り住宅ローン証券化業務に従事してきた、日本における住宅ローンファイナンスのプロフェッショナル。フラット35を取り扱うSBIモーゲージ(現:SBIアルヒ株式会社)ではCFOを歴任。テクノロジーによる新しい住宅ローンサービスを生み出すべくMFSを創業。「住宅ローンを必要とする全ての人が、最も有利な条件で借り入れ、借り換えできる」世界の実現を目指す。

趣味は登山で、テントを背負って槍ヶ岳や剱岳、海外ではキリマンジャロやキナバル山に登頂。

経歴

  • 1991年3月 東京大学経済学部学部 卒業
  • 1991年4月〜 三井物産株式会社 入社
  • 1993年7月〜 モルガン・スタンレー、ベア・スターンズなど外資系投資銀行を歴任
  • 2000年8月〜 株式会社新生銀行(現:SBI新生銀行)キャピタルマーケッツ部部長
  • 2011年8月〜 SBIモーゲージ株式会社(現:SBIアルヒ株式会社)CFO
  • 2014年10月〜株式会社MFS創業

主な保有資格

貸金業務取扱主任者

登壇実績

  • 2021年9月 金融DXサミット(日本経済新聞主催)等 登壇実績多数
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